日本映画「関ヶ原」Sekigahara
狩りの途中に寄った秀吉にお茶を出したことから、秀吉の小姓となった石田三成。その後、大名に取り立てられた三成は、秀吉に忠誠を誓いながらも、利害によって天下を治めることに疑問を感じていた。天下取りの野望に燃える徳川家康は、秀吉思惑の武将たちを味方につけようと、言葉巧みに懐柔していく。そして、秀吉が逝去した後、三成は、加藤清正ら秀吉子飼いの七人党に襲撃され、佐和山城に蟄居することになる。三成の西軍、家康の東軍が、覇権を掛けて動き出す。1600年9月15日、決戦の地は、関ヶ原。三成は、いかにして家康と世紀の合戦を戦うのか?これまで語られていた「関ヶ原の戦い」は、勝ち組=家康、負け組=三成という構図だったが、本作は、司馬遼太郎の原作を元に、三成を“正義を信じる純粋すぎる武将”として主人公に据えた構成だ。武将たちが次々と出て来るので、それぞれの陣営などを理解するのが大変だが、富士山の裾野に広がる朝霧高原での壮大な合戦シーンなども見応え充分で、久しぶりの本格派時代劇だ。(スコープ・149分・2017年8月26日公開)