試写室でこれから公開される新作映画を見ている筆者たちによる批評を掲載。時には辛口の、時には思いやりのコメントをお楽しみ下さい。 福岡アジア映画祭の上映案内も掲載


by faff
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日本は3.11の大地震とそれによって起きた津波に破壊された原発事故によって、改めて核の脅威にさらされている。“今、そこにある危機が起きてしまった日本”には、今、解決しなければばらない実態と、将来の国の方針が早急にためされているのだ。そんな折り、公開されるこのドキュメンタリーは、大小さまざまな核保有国への不安と、危険性を、政府の重人たちや専門家へのインタビュー、そして実際起きた出来事のリサーチと映像を導入し、論理的に説明していく。なぜ、さまざまな国が軍事力を増大し、現代で一番の他国への脅威となる核を保有したがるのか?震災以前によく報道され論議されていた、あの近隣の国の、核ミサイル問題は、もうどこか遠い話のような感じさえするが、今もなお、そんな他国の実態は進行しているのだと、この作品は強い警告を鳴らす。最初、核分裂を立証した物理学者も、将来、冷戦の中でそれが、軍兵器として活用されるだろうと、予期していたというくだりもある。一方、平和利用のため開発された原発も同じく、莫大は放射能を出すプルトニウムからなる核分裂によってエネルギーを生みだしているシステムということも、今回の震災によってはっきりとクローズアップされた。目的利用はかなり違っても、その存在そのものが人の生活基盤をゆるがす脅威なのだ。人類は選択の岐路にたたされている。ちょっと前だったら、このような作品も映画館でかかることは稀だったろう。考えを広げるきっかけになる記録映画だ。(ヴィスタ・89分・11年9月1日)
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by faff | 2011-08-19 18:22 | 映画
甘いムードは微塵も感じさせない度胸の塊・女性刑事が活躍する人気のテレビシリーズ。それが映画化された「アンフェア the movie」だが、今回は主人公・雪平のキスシーンも登場する大人のムード満載の作品に仕上がっている。
 篠原涼子扮する雪平は、前回の事件は解決したものの、亡くなった同僚から警察内部の機密情報が入っているらしい謎のUSBを託され何かしっくりこず、その中身の答を求めて北海道に異動する。そこの課長(佐藤浩市)とは、昔からの縁で男女の仲であり、いつも姉ご肌の雪平とは、真反対の一面を見せる。路線が違うぞ?!ナンテ思っていたら、事件の方が彼女を普通の女性の幸せから遠ざけるかのように、東京で起きていた猟奇的な事件の犯人として、彼女が逮捕されてしまう。いったい、真犯人の狙いは何なのか?北海道と東京の2ケ所で、一段とハイテンションなミステリー・アクションが繰り広げられる。雪平はトレードマークの黒いコートを羽織り、登場する最初から、重い使命感にに引きずられているかのように、いつもより憂鬱な雰囲気を醸し出している。そんな彼女を取り巻く、初めての登場となった上司役の佐藤やエリート検察官役の山田孝之、この他、常連の同僚役の加藤雅也や寺島進、阿部サダヲなど男たちの中に、本当の協力者はいるのか?いないのか?USBの中身を追っているは誰なのか?そんな謎解きを、破天荒な行動をとる主人公と一緒に、辿っていく見応え十分の展開になっている。(ヴィスタ・110分・11年9月17日)
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by faff | 2011-08-19 18:21 | 映画
平野勝之監督の以前の「白 THE WHITE」を見ているのは、この業務試写会場では私くらいだろうな~っと、平野監督の11年ぶりの新作を思いにふけりながら鑑賞した。それは無謀と思われる雪と暴風で過酷な真冬の北海道を、たった一人で自転車で旅行し、その様子を自ら撮影するという、ちょっとサディスティックな作風で、ベルリン国際映画祭にも出品された異色もの。しかし、この大変な作品に挑んだきっかけが、女優の林由美香にふられたからというのは記憶にあった。彼女は2005年に34才で急死した、伝説的なAV女優・由美香としても知られている。今回は、以前、彼女と平野監督が北海道を自転車旅行した記録を元に、当時、売れっこAV女優であり、若手監督たちのミューズ的な存在であり、平野監督の仕事仲間であり、元恋人でもあった由美香というエキセントリックな女性の魅力を、知らない観客にもわかるようにクローズアップさせていく。さらに今回は、遺族の了解を得て解禁となったという、彼女が2005年に34才で急死した後(彼女の自宅)に居合わせた監督と驚きわめく彼女の母親、その現場を撮影した衝撃的な映像が一つの作品の中に、挿入されていく。亡くなった遺体こそ写らないが、その場の張り詰めた緊迫感がなんとも異様だ。今までの女優の記録映画とは一線を引くものだ。彼女の誕生日に久々、会ってカメラインタビューさせてもらう約束をしていたという…監督。最後まで、私を撮ってよと言っているようだったという。こうやって映画となって、女優と監督はスクリーンに戻ってきた。ある意味、幸せなことなのだろう。(ヴィスタ・111分・東京11年9月3日、福岡10月1日)
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by faff | 2011-08-11 18:20 | 映画
人気のこのアクションシリーズが製作されて早10年。そのアクションも気をてらうスピーディーなカースタントも、今回、ますます気合いの入った展開となった。
 話は前作「ワイルド・スピードMAX」からの続きで、投獄されることが決まった、主人公で天才ドライバーであり、強盗団のカリスマ的なリーダーのドミニクを、元FBI捜査官ブライアンと彼の恋人でドミニクの妹ミアが、のっけから警備を突破し、派手な脱走方法でまんまとブラジルへ国外逃亡に成功する。そこで旧知の友に再会、誘われた仕事は麻薬局が押収した高級車を貨物車から盗み出すこと。しかし彼らは何者かに襲撃され、友にも疑惑を持つ…。一体、誰が、なぜ?その車を解体して、裏社会の大物の弱みが記録されていたマイクロチップを発見!彼らはこれを利用して、大物から大金をせしめるという危険な賭けを最後の大仕事と決め、猛然と決行する。どっこい相手も手強い。しかも、アメリカからも彼らを追って特別捜査官が追ってきた。果たして、自由と大金を手に入れようとする彼らの野望は果たせるのか?
 次々と機敏な殴り合い、撃ち合いとハードなアクションをみせる主役のヴィン・ディーゼル。そして彼を追跡するドウェイン・ジョンソンらの、マッチョな体型の男たちの死闘に加えて、車好きにはたまらないだろう高級車やスーパーカーがエンジンをうならせる。まさに現代のダンディズム的なドラマだ。(スコープ・130分・11年10月1日)
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by faff | 2011-08-04 18:20 | 映画
アメリカの人気コミックが、またも映画化された。緑のマスクに緑のボディースーツと、ちょっと個性的ないでたちの新たなるヒーローの誕生だ。
 広い宇宙の平和を守り続けている勇者たちを集めて作り上げられたグリーン・ランタン=宇宙警察機構。それに地球人では初めてハルが選ばれた。勇者の資格とは、どんな恐怖を克服する強い意志を持った戦士であること。しかし、彼は空軍パイロットとしての腕前は一流でも、幼い時に父親を亡くし、そのトラウマがあるという欠点の多いフツーの若者だ。彼は、あるパワーリングが持ち主が亡くなる前に後継者として選んだ勇者なのだが、自分の力量の無さに悩み、うまくリングをコントロールできずジレンマに陥る。だが、仲間や恋人に支えられて、重大な任務に奮起し、銀河系を牛耳ろうと蘇った強敵を相手に立ち向かっていくのだ。
 なんだか、初めて「スーパーマン」を観た時のような感覚。外見の格好だけは決まっていても、ヒーローになるには、そのエネルギーをうまく使うためのトレーニングが必要だし、自分が選ばれたことへの自信も持たなければならない。へなちょこだった彼が、精神的にも一人前のグリーンランタンのメンバーになって、敵や勇者と一緒に戦っていくヒーロー像は、これからの次回作も予感させる展開だ。(3D・スコープ・114分・11年9月10日)
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by faff | 2011-08-02 18:20 | 映画