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試写室でこれから公開される新作映画を見ている筆者たちによる批評を掲載。時には辛口の、時には思いやりのコメントをお楽しみ下さい。 福岡アジア映画祭の上映案内も掲載


by faff
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アメリカ映画「フランケンウィニー」Frankenweenie

 ヴィッキー少年が大切にしていた愛犬スパーキーが事故で死んでしまう。しかし、その死を受け入れられないヴィッキーは、“禁断の実験”によってスパーキーを甦らせてしまう…。墓場から遺体を掘り出して、屋根裏の実験室に運ぶなどというプロセスも、リアルな描写であれば、閉口するシーンだが、ストップモーション・アニメーションでパペットがチョコマカと動いていくので、笑って見ていられる。窓から上げたタコが雷からの放電をとらえ、遺体に電気を流す。そして、ついに、スパーキーが動く。ところが、継ぎはぎだらけで、首からはボルトが出ていて、とても、“普通の犬”には見えない。でも、そこが、ファンタジーのミソであって、ここに科学的な再生やリアルなサイボーグは必要ない。あくまでも、少年の“夢の世界”なのだから。
 しかし、そんな夢の世界にも、いろいろとちょっかいを出してくるクラスメイトがいて、事態は、町の人々を大騒ぎに巻き込むほど大きくなっていく。悪ガキたちが、電気ショックで甦らせていく動物がユニークだ。少年時代に、愛犬を亡くしたティム・バートン監督の自伝的作品ということだが、まさに“子どものころの夢”の映像化になっていて、スパーキーや登場人物たちが愛おしく思えてならなかった。(3D・ヴィスタ・87分・12年12月15日)
by faff | 2012-11-02 09:47 | 映画